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2009年9月

「暮らすように旅する」

先日訪れた京都で私が宿泊先に選んだのは、「暮らすように旅する」ことを提案している「庵」の美濃屋町町家です。
高瀬川が流れる風情のある木屋町に面してある町家を一棟借受け、3日間は私がそこの主として責任を持ち、好きなように暮らす事が出来るという訳です。


Machiya2
私がチェックインした夕方の鴨川は、こんなふうにちょっと曇り空でけだるそうでした。でも、居間から床へ出て鴨川の向こうの八坂の塔や川で遊ぶ白鷺をを眺めているうちに、少しの間だけだけど「この家に住む」という感覚が湧いてきました。

「庵」を主催しているAlex Kerr氏が提案しているのが、「暮らすように旅する」ということ。
日本の文化と景観を深く愛し、美しい日本を残し伝えて行きたいと思っている彼が始めたのが、年々減って行っている京都の町家を保存、改装して京都を訪れる国内外の旅行者に貸し出して京都の暮らしを味わってもらうというシステムです。
古い町家の美しさと現代的な快適さを兼ね備えた町家に、短期間でも「暮らす」ということで町家の良さ、日本の美しさを実感して、家へ戻ってからも何か感じた事を自分の生活に取り入れられたら、ということなのでしょう。


Machiya1

これは、お夕飯を終えた私達が美濃屋町へ帰ってきたところです。
夜になると玄関脇の坪庭もライトアップされ、出かける時につけて行った玄関の照明もやさしく私達を待ってくれているようでした。

旅館で「お帰りなさい。」と迎えられる訳でもないのに、それ以上に「家へ帰った」という安堵感が広がりました。


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きれいでしょう?
夜になったら、こんなにきれいな唐紙が貼ってあることに気がつきました。
全てが木でできた家、落とした照明にこれほど唐紙が映えることを実感できたのも、「自分の家」と思って慈しむ気持ちが生まれていたからかもしれません。

そして、何と言ってもこの家の魅力を一番感じられるのは朝。
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翌日は朝から良く晴れていました。部屋中に太陽が差し込み気持ちがいい!!!
窓を開け、床へ出て空気を胸いっぱい吸い込み伸びをしました。
旅行中にこんな開放感を味わえるなんて!コーヒーをいれてストレッチ。そして、「今日の予定は?」
いろいろ行きたいところもあるけれど、ずっとここでのんびりソファで本を読んでいても良いかも。
でも、せっかく檜のお風呂があるから、鴨川を眺めながらお風呂に入ろうかしら?などど考えます。

そして、Alex Kerr氏がもうひとつ提案しているのが、日本の伝統文化であるお茶、茶花、書道、そして、お能や狂言までもを一流の先生方が教えて下さる、というオリジンアートプログラムです。
祖母の家へ行くと、玄関から始まり家のいろいろな場所にちょこっとお花がいけてあり、毎日少しずつ短くしたり枯れた部分を取って形を少しずつ変えながら花を有効に使っているのを、私はいつも感心して眺めていました。

そして、自己流にお花をいけられても、日本の生活に深く取り入れられている茶花を習いたいと思っていた私はお友達と一緒に習う事にしました。

Chabana1
これは、私がいけたお花を小さな文机に乗せて、素敵な掛け軸の前に置かせていただいたところです。
ふふ、素敵でしょう?
様々な茶花のルールやお花や花器を選ぶ時のポイントなどを楽しいお話と一緒に教えて頂き、私達はすっかりリラックスしてとっても楽しいひとときでした。


Chabana3

先生と私。
気軽に習うなんてとんでもない!と怒られそうなお能や狂言も、その入り口を垣間見せて頂くことができるこのプログラムにすっかり魅せられた私達は、「今度は茂山家に狂言を習いたいわね!」と気持ちを大きくお教室を後にしました。

でも、ここではそれも夢ではありません。町家に暮らし、伝統文化のお教室に通い、夜は料亭の仕出しを家でいただく、そんなことも「庵」にお手伝いをしていただけば可能です。

私にとって、まだまだお勉強したいこと、身につけたいことが沢山ある事にいつも気がつかせてくれるのが京都なのかもしれません。
東京に戻ってからも「次はいつ?」とiPhoneのカレンダーとにらめっこしている私です。。。

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久々の京都。

連休の最後の日から、久しぶりに京都へ行ってきました。
私は、以前は小さな講習会を開くために京都へ年に3-4回通っていたので、京都独特の読み方が難しい住所や東西南北を表す言い回し「東入ル」「西入ル」「上ル」「下ル」もお手のものです。

初めの頃は京都市内をあっちこっち飛び回って、京都のお教室の生徒さん達に「まだまだ。。。」と笑われていたのですけれど、この頃はちょっと大人の京都です。

だって、今回泊まったのは。。。


Minoyacho1


素敵でしょう?
この鴨川に面した素敵なお部屋はお友達のお家ではなくて、Alex Kerr氏が主催している庵(Iori)が運営している町家です。
そして、ゲスト(宿泊者)はこの素敵な町家を数日間借りて、(短期の賃貸契約を結びます)その間はこの家の主人になるという訳です。
今回私がお借りした「美濃屋町町家」の入り口は、たん熊など素敵な料亭が並ぶ木屋町通りに面しているのですけれど、うっかりしていると見逃してしまいそうなほど目立たなく、ゲストのみぞ知る、という感じも魅力的です。そして、その素敵な町家の玄関は、その細い路地を入ったずっと奥にあります。


Minoyacho2
夜のお食事の後に、ホテルではなく、こんな祖父母の家のような佇まいのお家に帰ることが出来るのはとっても贅沢な経験でした。ご飯のあと、祇園辺りをぶらぶらお散歩しながら「ただいまぁ。」って家へ帰る感じです。ホテルに泊まるのとは、全く違ってゆったりとした気持ちでした。
この「庵」のことは、もっと詳しくお話したいので次の機会に。。。


そして、京都に行くことに決めたら、まずいつも私がすることは「何をどこで食べようかしら?」ということです。街中に点在しているおいしい和菓子、ケーキ、パン、和食、洋食、イタリアン、フレンチから、短い滞在期間の間に食べるものを厳選して、頭の中に地図を描きながら決めて行きます。

そして、今回私が選んだのは。。。

一日目のお昼は地鶏が美味しい「馳走いなせや」、おやつは大好きな「和久傳」、お夕飯はいつも第一候補の「よねむら」、2日目の朝ご飯は「進々堂」、ランチは木屋町のイタリアン「スコルピオーネ」、おやつはもう1度「和久傳」へ。そして、お夕飯はフレンス人シェフが京都の素材で作るフレンチ「Kezako」へ行きました。

Shinshindou
進々堂のパン。
大好きなはりねずみのパンは中にさっぱりとした甘さのクリームが入っています。


Wakuden

これは、和久傳の秋のお菓子「くりの葛焼」。
美味しかった!
ふわふわのお抹茶と裏ごしした栗を葛で練り上げた暖かいお菓子です。
そして、姉小路通X堺町通上ルにある和久傳のカフェはインテリアも素敵です。
いつも2階のカフェと1階の売店だけだけど、いつか奥にある料亭の方へも行ってみたいな。。。

そして、これは。

Yonemura
「よねむら」の冷たいパスタ。
小さな器の3種類のソースを伊勢エビとからすみのパスタに自分で混ぜて頂きます。
今回は、鱧から始まって、海鮮の前菜、松茸のスープ、色々な素材が隠れた茶碗蒸し、ガーリックバターのはまぐりのココット、牛カツレツ、石榴のシャーベット、おじゃこご飯、お番茶のクレームブリュレなどなど、沢山美味しくいただきました。
私は「よねむら」の器が大好きで、いつもお料理と同じくらい楽しみにしています。
今回も、お料理に合わせた、作家もの、市販されているもの、アンティークの器の組み合わせの妙を米村さんのお話を伺いながら堪能しました。

そして、今回は「庵」が主催している伝統文化体験のクラスをお願いして、茶花のお稽古もしてきました。

Chabana2
これは、私が花器も花材も選んでいけたもの。
始めはドキドキだったけれど、先生の楽しくて解りやすいお話を聞きながらのレッスンはとっても楽しくて、また伺いたくなりました。このお話もまたの機会に詳しく。。。

2泊3日の間に、こんなにたくさん食べたり遊んだりしても、「今度は。。」と思える京都の懐の深さにまた嵌りに行きたくなりました。帰りの新幹線の中でiPhoneのカレンダーとにらめっこをして、「今度はいつ行かれるかしら?」と考えていた私。でも、この頃私が留守ばかりなので、今も隣で機嫌の悪い顔をして私を見ている愛猫Sageに聞いてみなくちゃね。

庵 Iori http://www.kyoto-machiya.com/
よねむら  075 533 6699  

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やっぱり象が好き。

先日、上海で雑誌の撮影の合間にみんなで性格当てクイズのようなものをして遊びました。日本と同じようなクイズが上海でも流行っているのね?と思いながら、私も真剣な面持ちで1つ1つの質問に答えました。
そして、その結果は?大の動物好きで犬2匹と猫4匹を飼っている編集者のインインと私の答えが殆ど同じで二人でビックリ!


その質問の1つに「どの動物が好きですか?」というのがありました。
そして、私の答えは。。
Elephant1


一番好きなのはもちろん猫ですけれど、私は小さい頃から象が好き。
これは、パリで買ったチーズナイフです。

ね、かわいいでしょう?
鼻をキュッと前に突き出して、いたずらっ子っぽい感じのこの子は子象かしら?

Elephant2

こんなふうにジアンのお皿にチーズをのせて、この子象のナイフを添えるだけで何だか食卓が楽しくなります。

私は旅行に行くと、こんなふうにお家で普段使える、気の利いた家庭用品を見て歩きます。アンティークを探しに蚤の市へ行ったり、こだわりのある個人の小さなお店、そして何でも揃ってるデパートの台所用品や食器売り場へも必ず足を運びます。そして、時々こんなふうに一生のお気に入りになりそうなものを見つけます。

そして、そんなパリからのお土産に戴いたのは。。。

Elephant3
大好きなババールのチョコレート!
こんなふうに両端がキャンディのようにキュッと結んであって、その部分がフサフサになっています。
かわいい!!

そして、中を開けるとババールかセレステが入っています。一緒に入っている小さな絵を見たらババールの色々な冒険を思い出して、思わず本を開きたくなりました。
鯛焼きやひよこもそうだけど、こういうお菓子って食べる時、私はちょっとどきどきします。。。。

そして、決して忘れてはいけないのは大切なこのヘビです。
Elephant4

これは、もちろんサンテグジュペリの星の王子様の中の「ゾウを飲み込んだうわばみ」。
小学生の頃から何度も何度も読み返しているこの本の中でも、私はこのシーンが大好きです。

Elephant5_2

そう、どうしてこれは「帽子」なの?「ゾウを飲みこんだうわばみ」でしょう?と私も思っていました。

或る日表参道でこのうわばみを見つけた私は、家に持ち帰り大切に棚に飾りました。
そして時々、そうっとうわばみを持ち上げて、中に隠れている象に小さな声で「元気?」と話しかけます。
そうすると何だか私もふんわりとした気持ちになって、元気に仕事へ戻ります。

上海でクイズをした時に、「Hirokoはどうしてゾウが好きなの?」と聞かれて、好きな動物の中のそんな高順位にゾウが入っていると自分では思っていなかった私は改めて、どうしてなのかしら?と考えました。
だって、象って大きくて頼れそうだし、何といってもやさしそうでしょう?それに怒ると毅然としていてカッコ良いし、それなのにふだんはのんびりとしていて....とたくさん理由が出てきました。ほらほら、やっぱり私は象が好きなんですね!

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秋の訪れ。

今週は、夏からずっと山荘にこもっている叔母に会いに蓼科へ行ってきました。
80歳を超えて未だなお少女のようなかわいらしさを持っている叔母は、キリリと仕事をこなす、私が生涯尊敬する存在であり、いつも色々な楽しくて面白いお話を聞かせてくれるやさしい人です。

もうすっかり秋も深まって寒い蓼科の朝、叔母が「歩けなくなっちゃう前にもう一度行っておきたいの。」と少し寂しそうに白駒池行きを提案しました。

Shirakoma
きれいでしょう?
この白駒池は、本州一高いところにある湖なので、5月の連休でもまだ何メートルもの雪の中です。
だから、こんふうに湖の全景を見ることが出来るのも1年のうちで何ヶ月かだけのこと。
もう少ししたら、また静かに雪に覆われることでしょう。

そして私達は、すっかり整備されて歩きやすくなった木道をゆっくり歩いて進み、気がついたら湖をすっかり一周していました。

もしかしたら無理かもしれないと思っていた距離を思いがけずスタスタと歩けたことで、叔母はとっても自信がついたようで、にこにこと嬉しそうでした。私も、彼女のその姿を見て同じくらい幸せでした。

そして、蓼科へ行ったら。。。
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私は必ず花の苗や庭に植える草を見に、バラクライングリッシュガーデンを訪れます。
この日は、連休に開催する「ダリア展」の準備でスタッフみなさん大忙しのようでした。
これは、入り口にいけてあったダリア。何てきれいなんでしょう!

Dalia2_2

バラクラの苗売り場の奥に、こんなふうにダリアの花にラベルがついていて、売り物の苗に花がついていなくても、「来年こんなお花がお庭に咲きますよ」、と解るようになっていました。

大輪のピンクや濃い海老茶色の花、赤と白のストライプのもの、花びらの縁が丸まっていてちょっとオリエンタルな雰囲気のもの、小さな丸い菊のようなもの、みんな大好き!!

どのお花を選ぼうか散々迷ったけれど、宿根のダリアを一年で枯らしたことのある私はダリアに最適なお庭のスペースを確保してから、と今回は諦めました。。。。
私の母は園芸が好きで「緑の指」を持つほどではないけれど、庭で草木の世話をしているのが似合います。一年中、次に何を植えようか、何に肥料が必要かを考えています、
私が一番好きなのは水やり。でも、人間が衣替えをするように、せめて季節の変わり目には私も母のようにきちんと庭の世話もしなくちゃです。

バラクラの庭をお散歩していたら。。。

Butterfly
目の前のお花に蝶々が停まったので思わずパチリ!

普段自分の家の庭に蝶々が遊びに来ると、「ね、ね、どこか違うお庭で遊んで。」と、余り蝶々が好きではない私も、こんな自然の中にいるのを見ると「きれいね。」と思います。

あの細い細い足でお花に捕まって風に揺れているのを見るのは、楽しい気分でした。


そして、ここのお庭にはいろいろな人が隠れています。
これは、Nymph?
Girl
山や川に宿り、庭に花を咲かせて家畜を守り、自分が守っている樹が枯れると自分も供に死んでしまう、という恋多き妖精のニンフが緑のドームの下で、庭園を訪れる私達をやさしく待っていました。

バラクラが初めて出来た頃、まだ余り植物が育っていなくてガランとしたお庭を見てがっかりしてから随分年月が経ち、ここのお庭はとっても素敵になりました。これからは、苗木売り場だけじゃなくて、お庭も必ず見たいと思います。そして、少しでもこのお庭のエッセンスを私の庭にも加えることができますように。

ではまず、小さなニンフをお庭に連れて来ることから始めましょうか。

バラクラ イングリッシュガーデン ダリアウィーク2009 9.19-23
http://www.barakura.co.jp/

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食欲の秋の始まり。。。

風が涼しくなって過ごしやすくなると、夏バテしていた私もムクムクと「何を食べようかしら?」と、秋晴れの空を見上げながら考えます。

日本だったら、やっぱり松茸、それとも秋刀魚??上海では上海蟹。
そして、イタリアでは?
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ちょうど9月の今頃のある時、オペラ好きの母が「イタリアでオペラを5回観る」というグランドツアーへ参加して、フィレンツェ、ミラノ、ナポリ、ジェノヴァ、ヴェネツィアへ行くことになりました。

イタリア大好き!の私は、もちろん喜んで「荷物持ちでも何でも!」と一緒に出かけ、昼間は街歩き、夜はオペラという楽しい2週間でした。

ミラノでは、まるでトリュフをスライスするように、私の席でフレッシユなポルチーノをカルパッチョの上に削ってくれるのを楽しんだり、バローロの故郷アルバでは、供される一皿ごとにワインを変えて飲んだり、とグルメ旅行でもありました。

これは、フィレンツェを歩いていた時に見つけたお家です。
何て素敵なんでしょう!アーチの奥にまたアーチがあり、その奥にお家のドアがあります。そして、アーチの柱はくねくねと曲がっていて、まるでぶどうの樹のようです。

いつもは、「上海大好き!」と連呼している私も、流石にこんなお家を見かけるとヨーロッパのエレガンスにノックダウンされてしまいます。特にフィレンツェはメディチ家の時代から、きっと街の風景や作りはそれほど変わっていないのじゃないかしら。このお家の中からも、今にもきれいなリュートの音が聞こえてきそうでした。

そして。。。

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3日に一度はオペラを観る、という幸せだけどハードなスケジュールの合間に、少し軽めの夕食をのんびりと食べたくなった私たちは、リストランテではなくエノテカへ。

ここは、昼間フィレンツェの街の中をお散歩していた時に見つけた素敵なエノテカです。
「きっとここは人気のお店ね!」、とピンときた私は夜の予約をして大正解!8時頃お店へ行ったら、何事かと思うほどお店の前は賑わっていて、予約をしていなくて入れない人達でいっぱいでした。
そんな中、予約していた私達はするするとテラスの席に通され、お勧めの生ハムetcの盛り合わせと数種類のフォカッチャのプレートを頼んで、にっこり。

美味しそうでしょう?
はい、本当に美味しかったです。コッパやプロシュートはもちろん、フォカッチャが秀逸!
日本で食べるフォカッチャと違って、お豆やトマト、サーモンなどがたくさん挟まっていて、とっても具沢山でした。今、思い出しながら書くだけで、もうお腹がくぅぅ、となってしまいそうです。

イタリア人はお夕飯の時間がとんでもなく遅いから、(たいてい9時や10時から食べ始めます)きっとここでは食前に一杯、という感じなのでしょうけれど、みんなとっても楽しそうでした。食べて、飲んで、喋って、(イタリアではきっともうひとつ、愛して!でしょうね?!)笑顔でお店はいっぱい!

結局私達もスプマンテから赤ワイン、そして、グラッパへと。。。

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イタリア人並みに飲んだり食べたりして火照った気持ちを冷ましにアルノ河のほうへお散歩をしました。
昼間は観光客で賑わっているこの辺りも、夜はこんなに静かです。
そして、こんなふうに、もうどうしようもなく美味しくてロマンティックなイタリアを、きっと私はいつまでも好きなのだと思いました。

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My Shanghai 36

ここは上海?それとも??

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上海では淮海路の近くの皋兰路にも小さくてかわいいロシアン教会があるけれど、今日は、新楽路にある素敵な教会のご紹介です。

新楽路と陜西北路の角にある私の大好きなMansion Hotelのルーフトップレストランから南の方を眺めると、こんなエキゾティックな風景が広がっています。
この青いタマネギのようなクーポルが印象的な建物は、1933年に建てられた旧ロシア正教会(東正教聖母大堂)です。
実は、この教会は少し前までお洒落な上海っ子達で賑わうクラブだったのですけれど、プーチン大統領が来上海した時に、「聖なる教会をクラブにするとは何事か!」とクレームをつけて、クラブは即刻営業停止になったという曰く付きの教会なんです。


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或る日私は、いつもはピッタリと閉じられている教会の扉が左右に大きく開かれているのをお散歩の途中に見つけて、喜び勇んで中へ!
この日は、ロシアの色々な画家を集めた展覧会が開かれていました。でも、私も地元の人も、絵よりもいつもは見られない教会の内部に興味津々でした。

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かわいいでしょう?
教会の中は全てアーチで区切られていて、上を見上げると丸いドームにキリストが手を広げている絵が描かれていました。床はきれいな白と黒のモザイクタイル張りで、ひんやりとした感じです。
クラブが閉鎖された後、元の姿に戻す修復が行われたそうですけれど、今は中にはイコンとかもなく、他にも余り装飾がなくてとってもシンプルな感じでした。


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でも、こんな事務室へ続くドアもアーチ状になっていてかわいい!そしてよく見ると、こんな小さなドアにも全て曲線でできた模様が彫ってあって素敵。


見て!見て!右のドアのノブは左に、そして左のドアのノブは右についています。使い勝手を考えれば当然ですけれど、何だか童話の絵のようでしょう?

Mariachurch_2
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これは前にモスクワへ行った時に撮ったもの。
ピンクのかわいいマリア教会もモスクワの大きくて立派な教会も、上海の小さな教会と同じ、火焔を表した丸いクーポルとアーチが印象的でした。

上海の教会を見た時に旧ロシア正教の教会とは知らずに「わぁ、ロシアと同じ!」と思ったのも当然で、この新楽路の教会は第2次世界大戦終了までに上海に移り住んだ20,000人のロシア人の移民のために建てられたものでした。生活があるところには、必ずその人達のための教会があるということなんですね。

上海でフランス租界をのんびりとお散歩をしていると、こんなかわいい教会や、西洋人が中国の財閥や自分達が住むために建てた素敵な洋館、有名な建築家が設計したカッコイイアパートや中国の歴史的著名人が住んでいたお家などを多く見かけます。それらの多くは、今はレストランやホテルになっていて、上海では、そんなところでお食事をしたり、泊まることが出来るのも私の大きな楽しみのひとつです。

多くの外国人が住んだエキゾティックな街の雰囲気を感じながら、その頃の人々が着ていただろうお洋服や音楽に想いを馳せると、何だかタイムスリップをしたような不思議な気分になります。
昔から「魔都」と呼ばれていた上海ですもの、そんな魔法が隠されているのかもしれません。。。


東正教聖母大堂  新楽路55号
主席公館酒店 Mansion Hotel 新楽路82号  021-5403-9888

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三つ子の魂 ? ? ?

Felix1

この写真を見て、[ Felix the cat, the wonderful wonderful cat ]♬ ♬と思わず口ずさんでしまうあなたは、きっとミッキーマウスよりもスヌーピーよりもトッポジージョ?!よりも、このFelixが好きなはず!

黒猫をモチーフに1919年にアメリカ人の漫画家、パット・サリヴァンが描き始めたこの愛すべき猫は、先日東北新社が版権を勝ち取り、私の家の近くのスーパーマーケットのレジ袋になりました。
これは、大きいサイズの袋の表側です。

そして、裏側はこんな感じ。

Felix2

かわいい!

Felix(フィーリックス)はユーモアのセンス抜群で機転がきくスマートな猫、何が起きても動ぜず黄色い魔法の鞄から取り出した道具でクールに問題解決をします。ね、カッコイイでしょ。
そして、Felixの名前は、ラテン語の「フェリシアス」(幸運を運ぶ猫)に由来しています。と、言うことは日本の招き猫みたいな意味なのかしら??


父親の仕事の都合で '60年代にアメリカに住んでいた私は、もしかしたらその頃Felixに初めてであったのかもしれません。とは言っても、私がアメリカに住んでいたのは1歳〜3歳までなので、覚えていると思っていることも、本当は後日両親に写真を見ながら聞いたことばかりです。

「ナイアガラの滝へ行った」「ネイティヴインディアンに抱かれて写真を撮った」「動物園へ行ったら、興奮して立ち上がり乳母車から落ちた」なんていうことの数々も、後になって母から聞き、私は「ふぅん。。。」という感じです。
でも、でも!! 前述の [ Felix the cat, the wonderful wonderful cat ]♬の歌は今でも大きな声で自信を持って歌えるくらい、記憶が鮮明です。もしかしたら、回りの音を聞きながら言葉を覚える年頃にアメリカに住んでいたので、家族が見ていたTV番組の音を聞いて覚えたのかもしれませんね。三つ子の魂百まで、というのも頷けます。。。

そして。
Felix3

これならお馴染みかしら。
これは、1960年に丸川製菓が発売したイチゴ味のバブルガム!もちろん、今でも発売中です。この前、近くのスーパーマーケット、Den-enでFelixフェアをやっていて、Den-enかナショナル麻布でしか買えないレアなFelixグッズが当たるくじ引きをしていました。大興奮をしながら、引いたくじは2つとも見事にハズレ!残念。。でも、久しぶりにこのバブルガムを手にして、Felixの明るい笑顔に何となく嬉しくなりました。

でも、レアなグッズといっても日本で作るのはぬいぐるみとかタオルです。でも、大人のFelixファンが大勢いるアメリカではこんなものも!

Felixg
いいなぁー! ! ! 欲し〜い!ギターが弾けなくても、お部屋にあるだけでニマニマしそうです。

他にも、Martin Guitar Centerが限定発売した、赤いギターにいろいろな表情のFelixが描かれたかわいいギターもあります。そうそう、この前上海の市場でもFelix Tシャツを見つけたけど、1枚だけ驚くほど高かったので上海でも人気があるのかもしれませんね。

なるべくこれ以上物を増やさないように心がけている私。Felixグッズ、とっても欲しいけれど我慢、我慢。YouTubeで時々画像を見て、[Felix the cat, the wonderful wonderful cat!] ♬と大きな声で歌いましょうか。

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My Shanghai 35

涼しい乾いた秋の風が吹き始めたせいか、何だかお部屋も気持ちも衣替えの気分の上海です。
友人が秋の花を買いに行くというので、私も一緒に花市場へ行ってきました。

Fmarket1

ここは、静安寺からずっと北へ上ったところにある上海曹家渡花市場です。

今まで陜西南路にある小さな花市場の前は何度も歩いた事があって、「お花が必要なときはここね!」と思っていたけれど、実は上海のお花屋さんに私の思うようなアレンジをしてもらうのは難しいので、実際はフランス人や日本人が経営しているお花屋さんへお願いするのが実情です。

センスの良いお花屋さんを知らなかった頃は、ローカルなお花屋さんでお花を買って、その場で自分でブーケを作ったりしていました。だって上海の街角の花束は、バラを1本ずつ紙でくるんであって、それを1つにまとめてあるので、バラよりも紙の方が多いような感じで、とっても私の気持ちを表しているとは思えないものばかりなんですもの。。。

そして、お家でお客様をする予定の友人は部屋に飾るための生花とテラスに置く鉢植えを探しに、私は中国の大きな花市場ではどんな花が見られるのかをとっても楽しみに、期待に胸を膨らませて出かけました。

でも、実際は花の種類はすごーく少なくて、生花は殆ど百合かバラ。鉢植えも、大きな観葉植物かサボテン、といった感じで少しがっかり。。。上海で食事に出かけると、レストランの入り口に百合が大きくいけてあり、いつもきれいだと喜んでいたのですけれど、百合は入手しやすいお花だったんですね。ふむふむ。。。

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ほら、バラならばこんなに沢山の色が揃っています。
その他にも、茎が長くてつぼみが薄紙で包まれたローズギャラリーのようなバラも大切に棚に並べてありました。

Fmarket2


でも、こんな中国らしいお花も見つけました。睡蓮です。
日本でこんな茎の長い切り花の睡蓮なんて見た事がないので、「わぁ!」とびっくりしていたら、「この花が珍しいの?」と逆にお花屋さんもびっくりしていました。

そして、良い香りにつられてお店に入ると大好きなジンジャーが!
「ね、ね、ジンジャーにしましょ!ほら、良い香りでしょ?」と友人に強く勧め、他にも一緒にいける花などを買いました。素敵なアレンジメントはなかったけれど、好きな花を見つけたので上機嫌な私は積極的に市場を歩き回り、かわいい菊とハーブを何種類か見つけ、今日の市場でのお買物は終了。

最後に出口の近くでジャスミンのブーケを見つけました。良い香り!

Fmarket4

そうそう、富民路のハーブティ屋さんでジャスミンティを買ったら、このお花を乾かしたものでした。ガラスのコップにお花を入れてお湯を注ぐと、花がお湯の中を泳いでいるようでとってもかわいいんです。
このブーケのお花もお茶にできるかしら?

そして、こんなちいさなブーケがお部屋にあるだけで、私はとってもhappy です。

ちいさなことで嬉しくなれる気持ちをいつまでも持ち続けることができますように。。。


上海曹家渡花市場 長寿路1148号 (X 万航渡路)

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秋の気配。。。in Shanghai

今週に入ってからの上海は、昼間はまだ少し暑いけれど、風はもう秋が近いことを教えてくれています。
この頃私は、小さなワークショップを開いたり、日本での仕事のための材料を買ったりして、仕事と休暇を兼ねて上海へ来ているのですけれど、今日はちょっと違います。。。上海の出版社の仕事です。

Zhenqian


これは、今年発刊されたばかりの「Z真倩」という素敵なライフスタイル誌です。
今年の春、上海から帰国する時に空港でこの雑誌を見つけて、「記事も写真も考え方も全部素敵!」と惚れ込んで、帰国してから連絡をしてみたところ、あれよあれよという間にお仕事をすることになりました。


今日は、今度の10/末くらいに発売予定の第4号に掲載されるニットキャップやネックウォーマー、アクセサリーを、かわいいモデルに着せて撮影をしました。
その他にも、作り方のプロセス写真も丁寧に撮ったので、実際に写真を見ながら上海の読者の方たちに編んで頂けたら嬉しいな、と思っています。

撮影のやり方は日本と同じなので困る事はなかったけれど、撮影は街中のカフェだし、電気の設備が調子が悪くて2時間も待たなくちゃだったし、モデルの女の子のボーイフレンドは途中から遊びに来るし、全体的にゆるーい感じで、面白い経験でした。

Yinyin
これは、「Z真倩」誌の編集者のYin Yin(インイン)。
子供みたいに無邪気でかわいい彼女は、実はテキパキと仕事を進める敏腕編集者です。
私が「Z真倩」誌に惚れ込んだように、彼女も私が編んだニットキャップが大のお気に入りで、モデルを撮影しているとき以外は、いつも肌身離さずかぶっていました。

そして撮影終了後に、そのニットキャップをプレゼントした時の写真がこれです。かわいい!

その後、インインから「買い物に行くけど、一緒に行かない?」とお誘いがあり、シャンハイニーズの女の子3人と地元の子達御用達のファッションビルへ!
今日は朝から忙しい一日だったけど、初めてのことを沢山経験した楽しい一日でした。

「今度Hirokoが来たら、絶対踊りに行こうねー!」うーん、私の甥と同じ歳の彼女と?
それも、またきっと楽しいかも!

さて、今年の秋の上海では見逃せない公演が控えています。

Botanntei

素敵でしょう?
蘇州の昆劇(中国のオペラ)の代表作とも言える「牡丹亭」を坂東玉三郎さんが演じます。

毎年日本へ歌舞伎を見に来るシャンハイニーズの私の友人は玉三郎さんが大好きで、いつの日か上海で玉三郎さんの公演を実現したいと願っていました。そして、彼女の願いが叶って、いよいよこの秋「牡丹亭」が上海で上演されます。
もちろん私も既に大きな丸をカレンダーにつけて、準備万端です。本当に楽しみ!

彼と私ではいろいろな意味でとっても違うけれど、日本以外の場所で認められて仕事をする、そして、現地の人に喜んでもらいたい、という意味では同じなのかもしれません。外国で言葉が解らなくても心から願えば通じるし、良いものを作りたい気持ちはみんな同じだもの。

今日は、そんなことを考えた暖かい日でした。

坂東玉三郎 中国・昆劇 「 牡丹亭 」
2009 年11月17日〜22日 上海 兰心大戏院 Lyceum Theatre
チケットは9/15より発売予定 
日本語での予約: 上海/021-51075988

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My Shanghai 34

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今日は、上海の友人の家の近くにあるローカルな八百屋さんのお話です。

鳥魯木斉中路の安福路と五原路の間の辺りは沢山の八百屋さんや果物屋さんや食堂が軒を並べていて、朝早くから夜遅くまで地元の人達のお腹を満たすためにとっても賑わっています。
いつもは、前を通っても、たまに桃をひとつ買ったりするだけなのに、今日は袋一杯のお買物を両手に下げて帰ってきました。
その訳は。。。。


実は、このお店は「えー、それってどこ??! 教えて!」と欧米人の中で噂になりつつあります。
だって、上海で西洋食材を安く揃えるのは難しいのに、この超ローカルなお店は、不思議なことに紀ノ国屋のように美味しいものを沢山揃えているんですもの。
でも、お店の番号を確認しても、他の八百屋さんと何も変わらない雰囲気の外観からは、ここが食材の宝庫だとは全く思えません。良く外国人は[ A Hidden Treasure ](隠れた宝物)という言い方をするけれど、ここは本当にそんな感じ!!!

私も「あら?普通の八百屋さんじゃない?」と、思ったけれど、試しに「スモークサーモンありますか?」と聞くと、「もちろんあるよ〜。」と元気な返事。
そして、お店のオバサンが冷凍庫の中から取り出したのは美味しそうなノルウェー産のスモークサーモン!
でも、とってもすぐに食べきれる量ではなかったので、「それじゃぁ多すぎるの。その半分くらい欲しいんだけど。」と言うと、「OK!OK!」と言っておもむろに半分に切り出しました。びっくりしたけれど、サーモンを買えることになったのが嬉しくて、次々とブルーベリー、マッシュルーム、アヴォカド、ルッコラ、バジル、チャイヴスを買い、「モッツァレラもあるよ〜」「買う、買う!」、「ミントは?」「アーティチョークは?」「フェンネルは?」「生ハムは?」とオバサンはお店の奥から矢継ぎ早にいろいろ取り出して見せてくれました。
桃やマンゴーも買って、最後に棚の上にあったペンネを買って今日のお買物は終了!

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これが、今日のお買物です。
まるで、紀ノ国屋かNationalへ行って来たみたいでしょう?
そして、何と言ってもローカルのお店で買ったので、これ全部で150元(¥2,200くらい)でした!
プランタンの地下やリッツカールトンのお隣の外国人用のスーパーマーケットで買ったら何倍もしそうです。

今日は何を作りましょうか?
ランチだったら、スモークサーモンとアヴォカドのサンドイッチ?
お夕飯ならば、マッシュルームとスモークサーモンのクリームソースのペンネ、モッツァレラとバジル、ルッコラのサラダ、デザートはヴァニラアイスクリームにブルーベリーを添えて。。。

フランス租界のこの辺りには欧米人が多いので、それならば、と色々な西洋食材を置くようになったのでしょうけれど、超ローカルなお店の奥から出て来る様々なフレッシュなハーブや美味しそうな食材は、まるで魔法を見ているようでした。

この辺には Enoteca やJust Grapes など、お洒落なワインショップがあるから、蒸し暑い気分をすっきりさせてくれるキリッとした白ワインでも買いましょうか。そして、友人の家がこんなグルメなエリアにあることに乾杯!

。。。本当は誰にも教えたくないけど、お客様が増えて増々豊富な品揃えになることを願って。。。

西洋食材が豊富な八百屋さん: 鳥魯木斉中路 274号

私の大好物のラズベリーや木いちごもそのうち置いてくれるとうれしいな。。。秋になったらポルチーニや松茸も!わぁ、楽しみ〜!

もしもここへお買物に行くのならば、お店の番号が合ってることを良く確認して、そしてそのお店の外観を見て「えっ?ここ???」と思ったら、そこがお目当ての八百屋さんに間違いありません。きっと、つい沢山買いたくなっちゃうから、どうぞ大きな買いもの籠を忘れずに!

東京の家の近くで同じ食材が簡単に揃うのに、「何故こんなことがそんなに楽しいの?」と、聞かれそうですけれど、きっと上海で少しずつ自分らしい生活のベースが出来てきたことがうれしいのかもしれません。
どうやらこの小さな八百屋さんは、上海へ着いた私がスキップをしながら真っ先に覗きに行くお店になりそうです。

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