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甘くて酸っぱいもの。

Lemon

さて、個展の作品作りのために殆ど外出をしない私は、自分に「お菓子禁止令」を出しています。
でも、細かい手仕事でぎゅっとなった頭が欲しがるのは、やはり何か甘いもの。。。ふぅむ、と考えて思い出したのは甘くて酸っぱい「レモンの蜂蜜漬け」。このシンプルなおやつには、私の幼い頃の思い出がたくさんあります。

むかしむかし、学者肌の祖父が静養のために山荘を建てたのは、夏の社交場の軽井沢ではなく、新潟県の赤倉でした。
学校のお休みが近づくとクラスの皆は、「じゃぁ、軽井沢でね〜!」と楽しそうに話しているのに、私はひとりだけ、誰もお友達がいない赤倉で夏と冬のお休みを過ごしていました。

仕事がある父を東京に残して、私は母と姉と3人で、夏は山のように車に荷物を積んで、冬はスキーと大きなリュックを背負って汽車で赤倉へ向かいました。そして、毎年4-5日ではなく、長いお休みの殆どをずっと赤倉で過ごしていました。

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その頃はまだ子供用のスキーウェアは市販されていなかったのか私達は母が縫った、すぐに濡れて冷たくなってしまうお手製のキルティングのスキーウェアをお揃いで着てスキーをしたり、北欧製の木の大きな橇に母+姉+私の3人で乗り込み、山荘の裏のカーブした急な坂道をキャァキャァ言いながら滑り降りたり!

楽しかった〜! : )

そして、外で散々遊んだ後に家に帰って食べたのが、「レモンの蜂蜜漬け」でした。
きっとそれは洒落たおやつではなく、家にあったもので作ったのでしょうけれど、冷たい空気の中で遊んだ後には何よりのご馳走に思えました。

そして冬の夜には、窓ガラスいっぱいにつく、自分の手のひらよりも大きな雪の結晶をいつまでも飽きずに眺めたり、夏には朝早く起きて息を詰めて神秘的な蝉の羽化を観察したりしました。

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すごく大きな温泉のお風呂はあったけれど、冬は家の中が本当に寒くて、自分の使ったタオルがあっという間に凍ったこと、東京の家にはない、和室の天井の木目がいろいろな形に見えて、怖くてなかなか眠れなかったこと、大人の腕程もある太いアオダイショウが悠然と庭を横切って行ったこと、留守番の人の畑から毎朝キュウリやトマトを捥いで食べたこと。。。

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夏休みの自由研究は、姉は必ず昆虫採集で私は植物採集だったこと。
姉が蜻蛉や蝶々に注射をして、そのあときれいなガラスのケースにきちんと虫ピンで刺していたことを、ちょっと怖いけれどすごいなぁと思いながら見ていたこと。
私は、その辺から草や花を摘んで来て、電話帳の間にはさんで、そのあとはずっと植物図鑑とにらめっこをしていたこと。

今、私が毎日していることも、あの頃していたことと余り変わらないのかもしれませんね。
リボンを折ったり縫ったりしながら、お花や葉っぱを作って布で作ったバッグに縫い付けたり。

私の想像力を育ててくれた、赤倉でのんびりと過ごした日々に感謝。
私の心の中には、今でもあの頃に感じたわくわくドキドキした気持ちがあります。

上海での個展まで 51日

*絵は全て大好きなエルサ・ベスコフの絵本より 「もりのこびとたち」「リーサの庭のはなまつり」

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