そんな無茶な?
朝起きて庭の水やりをすると、驚いた蝉が大きな声で鳴きながら逃げ出したり、「おはよう。」とカマキリが鎌を挙げて挨拶をしたりするけれど、そんな間も私は返事もせずに「うーん、どうしましょう。」と、今日は上の空で他のことを考えていました。
それは、先日上海の雑誌社から届いた一通のメールが原因でした。
「今度、『クリエーターの家」という特集でHirokoにも登場してもらいたいんだけど、どうでしょう?」「はい、もちろん喜んで!」と、ここまでは良かったんだけど、「作品の作り方ページは、今度Hirokoが上海に来た時に撮るけれど、お家の写真は自分で撮って送って下さいね。」
「えぇっ?自分で撮る????????」しかも、半ページとかではなく数ページ分です。
「そんな無茶な!」写真を撮るのはすきだけど、誌面を飾るような写真が撮れるわけがありません。
そのことを何度も言ったけど、言語の問題と会ったことがない方なので色々なことが通じず、どうしたら良いか埒があかず、「じゃぁ、私の写真を実際に使えるかどうかわからないけれど、撮るだけ撮って、後はお任せましょう。」ということにしました。
そして、今日は朝から「えーっと、10時頃から撮るのよね。」「外が明るすぎたらカーテンを全部閉めて。」と、いつもプロのカメラマンの方が私の家の写真をとってくださる時のことを極力思い出して家の中をバタバタ。
引きの写真は全然自信ないから、こんな私の集めているものとかの写真も撮ったりしました。
みんな、やっぱりかわいい。:)
そして、2階では大きな本棚を撮ったり。
これは天井まである本棚の、手が届かないところにある本を取る時のために置いてある私の宝物の猫の椅子。
この椅子は、もう随分前にルーブルの装飾美術館のお店で一目惚れして、パリの郵便局に持ち込んで東京まで送ったもの。
今でも良く覚えてるのは、[Non!]って言ったら、中国人みたいに交渉次第でどうにかなるなんていうことはなくて、本当に取りつく島のないそっけないフランス人の店員さんの横顔。。。
お店から送れないなら諦めようかしら?と寂しい気持ちになったけれど、もう自分の家にある姿が目に浮かんでいたから梱包材でぐるぐるくるんで、よいしょよいしょと自分で郵便局の窓口へ持って行きました。ちょっと大変だったけれど、今、ここにこうしてあるのも諦めなかったからですものね。
だから、今回の上海の雑誌の仕事もどうなるかはまだ解らないけれど、自分の家の一番良いところを解っている私が一生懸命写真を撮ったのだから、あとはお任せしましょう。きっと大丈夫!
それに、日本では頼まれないようなことを、いとも簡単に「HIroko, やってね!」って言われることも上海での仕事の楽しいところかもしれません。だから、「そんな無茶な!」なんて言っていないで楽しまなくちゃね!
そして、8月には上海のplum galleryでのワークショップへもお遊びにいらしてくださいね。
今迄アクセサリー作りをしたことがない方も、ぜひ。
だって、「出来なかったこと」を「出来ること」にするのは、いつも楽しいもの!:)
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コメント
こんにちは。伊吹先生の新たな一面が!(笑)
猫の椅子のお話。その行動力に脱帽です(驚)!
私が知人の漫画家さんと一緒にハワイへ行った際、
飾ってあったブロンズのカエルのオブジェを見たその人が
日本に持ち帰りたいと店に発送を頼みましたら、
重量があるだけに提示された額がとんでもなくて、
それなら。と、持ち運びがとっても大変そうなポーズをした(苦笑)
カエルさんを3体、よいしょよいしょと一緒に、手荷物で持ち帰ったことを
思い出してしまいました(笑)。
何かを生み出す仕事をされている方々のエネルギーはやっぱり凄いな~と、
改めて思っています♪
自宅のお写真、住んでいるご本人の気持ちが伝わるものにきっとなるはずです。
どんな記事になるのか楽しみです。(でも日本では見られないかしら…)
投稿: ruko | 2010年7月25日 (日) 17:14
そうなんです。この猫の椅子を見る度に、「あー、そういえば。。。」と色々なことを思い出します。
だから、簡単に手に入った物よりも余計に大切に思うのかも!
手をかけること、諦めないこと、って「作る人」に共通することなのかもしれませんね。ふむふむ、「こだわり」があることって強みなのね!頑張るぞ〜!
投稿: ginger | 2010年7月25日 (日) 20:09