2つのアネモネ
昨日は庭への掃き出し窓を開けて春の空気を楽しんでいたのに、今朝はすっかり季節が少し戻ってしまったかのような冷え込みでしたね。
でも、お部屋の中には春が訪れています。

ね、きれいでしょ。
これは先日お友達から戴いたアネモネ!
丁度今週はお稽古だったので机の上に飾っていたら、お部屋に入って来たみなさんが「わぁ、きれい!気持ちが明るくなりますね!」と笑顔になりました。良かった。
そして、縫ったばかりのレースのカーテンを下げた窓辺に花瓶を移したら、「あっ!」と、1枚の版画のことを思い出しました。
それは、私の大好きな長谷川潔の「2つのアネモネ」。

1934年に制作されたこの版画は、長谷川潔自身も気に入っていて、いつもアトリエの壁にかけてあったという1枚です。
アクアチントという技法を使って作られたこの版画ですが、アネモネの後ろのレースの技法はまだ解き明かされていない、とか。。。
生き生きとした大輪の花としおれかけた小さな花は「生と死」を表していると言われるけれど、私は単純に、この版画が大好き。
他にも散歩中に話しかけて来た1本の樹に触発されて作った「一本の樹」やニレやアカシアの樹を描いたもの、開いたフランス窓の情景などの版画も私のお気に入りです。どの版画もとってもとっても繊細だけど、一本一本の枝や線が力強く、見ているとものすごく引き込まれます。
自分はこんなふうに描いたりできないけれど、自分の心の中を写し取ったように感じる絵や小説ってあるでしょう?
私にとって長谷川潔の何枚かの版画はまさにそんなふうに感じます。
そして、春を感じながら今私が製作中なのは、こんなレースのストール。

まだ半分くらいしか編めていないけれど、これから少し凝った縁編みをつけようかしらと考えているところです。これは難しそうに見えるけれど、鎖編みと細編みだけだから意外と簡単!
こんなふうに単純なことを根気よく丁寧にするのも楽しいな、って思います。
そして編み上がったら、少し糊をつけてパリッと仕上げましょう。
暖かい春の風の中、このストールを巻いてお散歩へ行きましょうか。きっと、道端の樹や花達が「Bonjour!」と話しかけて来てくれるはず。楽しみ!
*長谷川潔の版画は彼の故郷の横浜市の横浜美術館や京都国立近代美術館などで常時見ることができます。
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