一本の糸から
昨日の雨雲がまだ空の上にいて、今日も雨ですね。
こんなふうに毎日雨が降ると草も樹もグングン伸びるのでしょう。気分転換に外へ出たら、緑が濃くなって庭がジャングルみたいになっているのにびっくりでした。
いろいろなことが上手くいかなかったり、急いでしなくちゃいけないことで頭がギュウギュウでも、こんなきれいな光景を見ると、するすると気持ちが緩んでゆくのを感じます。
そして、ひんやりとした空気を胸いっぱいに吸い込んでお部屋へ戻ります。
お家の中でそんなに頭を抱えて何をしているの?と思うでしょ。
実はこの頃、ちょっと複雑な丸ヨークのカーディガンを編んでいるんです。
身頃や袖はとってもシンプルな編地にしたけれど、ヨーク部分は1段編むのに20分以上かかります。
しかも目数は400目から600目に増えたりまた元に戻ったり、と均等に模様を増減させるだけでも難しいのに、その上玉編みやねじり目もあって1目でも間違えたら取り返しがつかない模様なんです。
そして、この模様は「難しい」と「楽しい」がイコールになった感じ!
フェアアイルみたいに10色以上の毛糸を編み込むのも大好きだけど、こうして1本の糸で作る複雑な模様も面白い!編図を読み解く楽しみもあるし、いくら眠くても寝る前に「ちょっと1段だけ!」と思わず編棒に手が伸びてしまうのもこのタイプです。
きっと編物をしない方は「え〜っ、寝る前にこんなものを編みたくなるの?」と思うかもしれないけれど、編物好きな私達は寝る前に複雑な模様を編むと不思議と頭がすっきりするんです。多分ギュッ!と集中して好きなことに没頭するからかもしれませんね。:)
そして、今日はこんなものも編みました。
かわいいでしょ。
ドイリーみたいに見えるけれど、これはかぎ針で編んだコットンの襟です。
来月上海のニットカフェで、そして東京ではこの夏に皆さんと一緒に編みたいと考えています。
先日大好きな毛糸会社パピーさんの展示会へ伺い、今年の秋/冬の糸を見せて頂きました。今年も面白い材質や素敵な色の毛糸が沢山あって、説明を伺いながら「私だったら!」と色々なアイディアが頭の中にむくむくと浮かんできました。
そして、その後久しぶりにお会いしたMさんと「一本の糸の面白さ」について夜遅くまで語り合いました。世界中どこの国にもある「編む」という文化。きっと「編む」ということは人間の共通した欲求なのかもしれませんね。
そして、私も編むことが大好き!
これからも、たった一本の糸から作り出せる世界を私らしい形で、日本で、そして中国でも紹介してゆきたいと強く思いました。
頑張ろう、っと!
さぁ、今日は夕方から大好きなクラリネット奏者リチャード・ストルツマンのチェンバーコンサートです。サントリーホールでも色々な気軽なコンサートを開いているのですね。
決まりきった形ではなく、その時々に応じた形での展開。私にも適応できることがありそうです。
楽しみとお勉強はいつもイコールなのね、と思いました。
サントリーホールの公演カレンダーはこちらから。
http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/perform/index.html
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