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My Shanghai 90

せっかく上海は気持ちの良い季節だというのに今回は日本から持って来た仕事が忙しくてアパートに居ることが多い毎日です。

うーん、何か面白いトピックはあるかしら?と部屋の中で思案していたら、「!」ありました!!!こんな時こそ老房子の魅力をご紹介しましょ。
Apt1
私が借りているのは1930年に建てられたKing Albert Apartmentという上海市歴史的建造物指定のアパートです。
1914年にフランス租界が出来た頃は陕西南路はAvenue du Roi Albertと呼ばれていていました。その頃この界隈にはフランス人向けの住宅が沢山建てられ、このアパートもベルギー人建築家の手で設計されたフランス様式のアパートのひとつです。
今は老房子好きな欧米人2-3組を除いて住人は殆ど上海人ばかり。政府に管理されている建物という印のグリーンのドアを開けてアパートへ入るとこんな年季の入った大理石の模様の階段があります。
実はこの玄関ホール(?)と階段が私がこのアパートを一目で気に入った理由でもあるのです。これは私の東京の母校の廊下と同じ!玄関というのはその建物の顔だからやっぱり大切。こんなことだけで何となく安心だし親しみが持てるでしょ。私の母校もフランスの修道会を母体としているもの、なるほど、建築様式が似通っているのも納得です。
Apt2
窓もこんなふうに鉄枠で出来ていて、ロンドンで住んでいた家と同じ作り。初めてこの窓を開けた時、取っ手をクイッと上げて外へ開く感じが懐かしくてにっこりでした。
そして窓の外には大きな木が生えていて気持ちが良い。カーテン好きな私は、アパートを借りてすぐにカーテン市場へ行き、厚手の光沢のある白い生地に花の刺繍がしてある布で床までのたっぷりとしたカーテンを2組注文し、椅子にもカーテンの花と同じピンクの布でカバーを作りました。
なんだかとっても素敵なアパートみたいだけど、現在の住人はほとんどが上海人なので建物を除けばローカル感満載な感じです。
聞こえてくるのは大きな声の上海語、電気の容量が少ないから工夫が必要な生活だし、不便なことも多いけれど、私にとってはそれでもこの部屋が好きな理由がたくさんあるんです。
Apt3_2 ドアノブはこんな素敵なガラス製。鍵穴もかわいい。
部屋の家具は全てお隣のお部屋に住んでる87歳の大家さんの婚礼家具。大きなドレッサーもベッドもベッドサイドテーブルも4人用のテーブル&椅子も全て当時のもの。きれい好きの大家さんがずっと大切に使っていたのが伝わるから私も彼女のように丁寧に使っています。
そして、壁がビニールクロスとかではなくペンキ仕上げなのも私にとっては嬉しいこと。
Apt4_2
この模様は壁紙ではなく、大きなスタンプみたいなものにペンキをつけてペッタンペッタンと手作業でパターンを作ってあります。だから、手で触るとざらっとした立体感があったり、ラインが少しずれていたり、スタンプを壁から離したときのペンキの毛羽立ったような感じが今も解るのが楽しい!
お部屋を見に来た時はそこまで気がつかなかったけれど、自分の部屋になってからはこんなことひとつひとつに「わぁ!」と喜んでいます。
だって、こんなことなかなか経験できないもの!
東京の家を20年前に当時ではかなり凝った作りでディテールにこだわって作ったけれど、なかなか職人さんにわかってもらえなかったり、予算と合わなかったりしたことが、この老房子にはあるんです。
そのひとつがこの天井。
壁のパターンの部分の上に木のモールディングが貼ってあり、その上は漆喰。そして

Apt5_4天井にかけてカーブがかかっていて、その部分にも2重に3本のラインが施されています。こういうディテールが本当に素敵。

毎年アパートの契約更新の時に大家さんに「広子はこの部屋が好き?」と聞かれると、私はその度に「この部屋を借りることができて私はとっても幸せなの」とにっこり答えます。
「こんなアパートに住めたら良いな」と憧れていたところに知り合いが住んでいて、偶然そこに住めることになり、そして大家さんもとっても良い方で、多少不便ながらも1930年代のヨーロッパの雰囲気を保っている素敵なお部屋。こんなことが重なるなんて、きっとご縁があったのでしょうね。
もうこのお部屋もこの夏で丸3年。いつまでこのお部屋を借りていられるか解らないけれど、それまではこのお部屋をエンジョイしましょ。
さぁ、今日は金曜日。晴れているけれど風があって少し寒そうです。
週末前にみんなで楽しくお稽古しましょ。頑張ろうっと!

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コメント

広子さん、はじめまして。ロンドン在住のAndii(男)といいます。実は、昨日、中国旅行(北京、上海、蘇州)から戻ったばかりです。上海では、以前、このサイトで紹介なさっていた汾陽花園ホテルに宿泊しました。おっしゃっていた通り、大人のための素晴らしいホテルでした。お天気があまり良くなく、雨だったり寒かったりしたのは少し残念でしたが、素敵な時間をすごすことができました。そのお礼を申し上げたくて、コメントさせていただくことにしました。フランス租界は、本当にいいですね。カフェもいろいろ行きましたし、街角のあんまんや粽を学生にまじって買ったりして、またすぐに行きたい気分です。苗族の刺繍が大好きなのですが、巨鹿路のBrocade Countryと上海商城の綉花張で素敵なアイテムに出会え、購入できました。広子さんのお住まいも本当に良い雰囲気で、うらやましいです。今後とも、拝見していますので、いろいろ情報を発信してください。

投稿: Andii | 2013年4月25日 (木) 21:33

Andiiさん

こんにちは。コメントありがとうございます。
UK在住の方はやはり上海、特に旧フランス租界界隈の華洋カルチャーが混在した感じに魅力を感じられたのですね。
あのゴチャゴチャした感じと思いがけないエレガンスが混ざっているのが楽しいですよね。:)

私も今年も上海通いが続きそうなので、「ここは!」という場所があったらまたご紹介しますね!

投稿: | 2013年4月25日 (木) 23:26

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