蓼科日記 その21
お山のあたりは八月も二十日を過ぎると秋の風が吹き始めます。
八ヶ岳をバックに東を向いて胸を張るように咲いていたひまわりたちも秋の気配を感じているのかも。ちょっと元気ない感じ。。。
今年の夏は雨ばかりで天気予報は曇りと傘マークばかり。そして夕方の7時のニュースの頃には必ず大雨、雷注意報のテロップが出たりで、すっきり晴れた夏の日はあまりなかったかも。太陽はどこへ行っちゃったの? + _ +
そんな中、先日楽しいイベントに参加してきました。
それはイルフ童画館で開催されたリノカット版画のワークショップ。 ♡
日本ではあまり聞いたことがないけれど、バージニア・リー・バートンの本はほとんどがこの技法を使ったものなんですって。おぉ!
床材のリノリウムをハサミでジョキジョキ好きな大きさに切って、その上に下絵を描き彫刻刀で掘ります。そして、掘り終えたらこんなプレス機で印刷よぉ。さすが美術館。ステキ!
何かリノカットに向く下絵を用意しなくちゃね、と大慌てでハギオを観察し、簡単なハリネズミの図案を持って行きました。
学芸員の方から「小さなピースをいくつか作ってプレスする度に置く場所を変えても面白いですよ」とのアドバイスもあり、私は「ハリネズミ」「キノコ3個」「小花が咲く草地」を用意しました。
木版と違ってどんな方向にも掘りやすいからドンドン勢いよく掘ったり、カッターも使って細かい部分を丁寧に仕上げたいと頑張ったけれど、久しぶりの彫刻刀に四苦八苦。はぁ。。。* _ *
そして出来上がったのはこれ。こうして見ると治したいところだらけだけれど、とっても楽しいワークショップでした。ありがとうございました。: )
自分の分を3枚刷って、1枚はお隣の方と交換しました。お隣の方は武井武雄のイラストを細い線で掘られていてとてもステキでした。♡
みなさんの作品を拝見したり和気藹々と楽しんでいたら、にわかに周りが賑やかになり突然大勢の観光客の方に取り囲まれました。
何事が起こったの?と目を丸くしているうちにニコニコとハングル語で話しかけられ、学芸員の方に「伊吹さんの版をお借りしてもいいですか?」と聞かれ、「もちろんどうぞ」とお返事すると、韓国の女性陣は何枚もハギを印刷して帰られました。わかりやすくてかわいい図案だったので大人気だったのですね。Ha, ha~!
お話を伺ったら、その日の朝に日本へ着いて、バスをチャーターして長野を3泊4日で回るんですって。もう東京や大阪は何度も行ったことがある皆さんのリクエストのコースとのこと。岡谷の小さな美術館まで網羅してるとは、うーん、すごい!!!
どんな形であれ手を動かすのは楽しいと感じ、そして更に作ったものを見てにっこりしてくださる方があるのはもっとうれしいことを実感した一日でした。感謝。♡
蓼科の部屋の窓からはリスが赤松を駆け上るのが見えたり、モソモソ草を食む音に手元を休めて顔を上げると鹿の親子と目があったりします。そんな生活ももうあと少し。この夏に見た色や形を大切に心の引き出しにしまって東京へ戻りましょう。
夏の終わりを感じながら、気持ちは少しずつ秋へ。ね。: )
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