文化・芸術

みみをすますように

今日は楽しみにしていた酒井駒子の初めての個展へ行ってきました。

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初 立川の私はドキドキしながら電車を降り、あたたかい太陽のもと新しい建物に囲まれた遊歩道をずんずん歩くこと10分、こんなかわいい入り口に着きました。ここは立川のGREEN SPRINGSに去年の6月にオープンしたプレイミュージアム。

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大好きな「くまとやまねこ」「ビロードのうさぎ」を始め、デビュー作から最新作まで200点を超える原画を間近に見ることができるのは本当に嬉しいことでした。段ボールに描かれた不思議な荒さと繊細さが混雑した絵にうっとりしたりじわっとしたり。その静謐さは時々怖いほど。「あ、これはコラージュしてある」「こんなふうに絵を描いた紙の周りをカットしてあるのね」と原画の持つ魅力に引き込まれたしあわせな時間でした。♡

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葉書を買って帰り早速額に入れて飾りました。大きなマグに紅茶を入れてソファに座りゆっくりと図録を広げて、「序文にかえて」を読みました。「展覧会の『みみをすますように』という言葉をきいて、かすかな聴こえないような音を探す様子を思いうかべた。」とあるのに、実際の展覧会では撮影可能な部分が多いので、静かにみみをすませたくても周りはカシャカシャスマートフォンで写真を撮る音が溢れ、絵の前でピースサインを出して写真を撮る大人も。ミュージアムにとってSNSの効果が大切なのは重々承知だけれど、世界中の美術館・博物館でいつも私が感じる残念な気持ち。

写真ではなく(SNSにアップすることよりも)心で感じる気持ちがずっとずっと何十年も自分を助けてくれるのに。そのことが大切なのに。

同じ会場では「ぐりとぐら しあわせの本」展も開催しています。

「みみをすますように 酒井駒子」展   ~7月4日   PLAY MUSEUM (会期中無休)

 

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Ode to Klimt.

今年楽しみなのは何と言っても4月23日から上野で始まるクリムト展。Img_012911

私が始めてクリムトの絵に出会ったのは、多分家にあった画集を眺めていた小学生の頃。
デジタル全盛の今は、以前はどのお家にもあった何十冊もの百科事典や画集なんてなくなっちゃたけれど、興味が湧くかわからないけれど「なんとなく眺める」本はとっても大事だと思うのです。
福岡ハカセも小学生の頃に図書館の書庫で今も大切にしている蝶の図鑑に出会ったと仰ってたけれど、私もきっと何もわからないまま「これは好き」「これはちょっとね」と感じながら画集を開いていたと思うのです。
その中で気に入った画家がクリムトだったり、シャガールだったり、フジタやマチスだったり。そして今はさらに狩野探幽や酒井抱一も好き。
ピンポイントで調べたりするのに便利なデジタルなものと違った時間が流れる紙の媒体が大切だと思うのはこんなところ。。。
Img_012912 この2枚のクリムトの複製画は80年代に老舗の額縁屋の八咫屋(ヤタヤ)さんで分けていただいたものです。
フジタの絵も八咫屋さんの額のものが何点かあるけれど、琳派に影響を受けたクリムトの絵が日本の職人さんが作った額縁にしっくりと収まっているのはなるほどね、と思います。
今も毎日眺めて幸せな気持ち。複製画でも好きなものをそばに、と購入してくれた親の考えに改めて感謝。♡
そんな中私もこんなものを作りました。
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これはヴォーグ学園の卒業作品として35年くらい前に編んだワンピースの編地。先日家の整理をしていた時に棚の中にしまってあったのを見つけ、クリムトの複製画をつぶさに見ながら編図を書いたのを思い出しました。毎日10時間以上編んでも5cmも進まないほど複雑な編地。20代の私の根気と努力の結晶なのねー。
先日ロンドンへ行った時にロイヤルアカデミーでクリムトとシーレの素描の展覧会を見てきたけれど、絵を見ながら心の中に湧き上がる熱い思いを久しぶりに感じた幸せな時間でした。
そんなRAのクリムト紹介のビデオはこちら。
何十年経っても変わらない縦糸を自分の中に持つこと。
そして、それが切れないように新しい横糸も足していかなくちゃなのね。了解。♡

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秋の入り口に

今日九月九日は五節句のひとつ、重陽の節句です。

本当は、前の晩に菊の花にかぶせて花の露で湿らせた綿で体を拭いて長寿を願ったり、栗のお菓子をいただいたり、菊酒を飲んだりと風流に一日を楽しめたのに、私の朝はこんなものから始まりました。
Img_090912 大好きなシャインマスカット! Yeah!
やっと本格的にブドウのシーズンになったのでお財布とにらめっこをしなくても気軽に楽しめるようになりました。わぁーい! ♡
今朝はなんだか日の出とともに目が覚めたので、それならばと早起きをしてお掃除やお洗濯をしてさっさと 家事を済ませ、ゆっくり朝ごはんを楽しみ、机に向かってメールを書いたり仕事をしたりしました。それでもまだ10時になったかどうかの頃。早起きってすごいのね、とニッコリでした。: )
そして久しぶりにYOGAのクラスへ行き、そのまま国学院大学で開かれた山種美術館主催の講演会へ行ってきました。
Img_090922 今開催中なのは「上村松園ー美人画の精華ー」。美術館はどこを見ても美しい女性の絵ばかり。上村松園は表装も自分で指定してたそうで絵を引き立てる素晴らしい組み合わせにうっとりでした。ほぉ。
講演会のゲストは小説家の朝吹真理子さん。彼女のセンシティヴで美しい文章はどうやって生まれるのかしら?と興味津々に耳を傾けてお話を聞きました。う~ん、思った通り。余白やにじみが好きなこと、見えないところからやってくるものをつかむこと、雲母のような消えてゆくものを書きたいこと、頭の中にあるものを具体化するためにイメージボードを作り、自分がどんなものに興味があるのかをビジュアル化することなど、私も心の中でうんうんと頷いていました。
朝吹登水子さんを大叔母様にもつご家庭に育たれたこともあり、フランス文化が溢れる幼少期だったこと(!!)など、講演会でしか伺えないようなエピソードも楽しいことでした。朝吹さんは独特な雰囲気を持たれたとても美しい女性でした。今の展覧会とピッタリね。: )
Img_090933 そして、今日を逃すと見られないかも、と向かったのは根津美術館近くのほぼ日のギャラリー、TOBICHI 2で開催中の京都在住のjunaidaさんの個展。京都へ行ってもなかなかhedgehog galleryの時間と合わず、いつも暗く閉ざされたドアの前でがっかりしていたけれど、東京でjunaidaさんの原画が見られるなんて~!!! きゃぁ。
しかもご本人も在廊していらしたので、ちょこっとお話もできました。♡
この頃Wババとのことでストレスがいっぱいだったけれど、9月になりPATTERNSやお稽古が始まったり、好きな作家の方たちの作品に触れたり、ご本人から制作秘話を伺えたりと、とても幸せで心が元気になりました。本当に良かった。私も頑張りましょ。: )
上村松園 美人画の精華ー 山種美術館 - 2017年 10月22日(日) 月曜日休館
THE ENDLESS WITH THE BEGINNINGLESS  junaida TOBICHI 2  - 2017年9月18日 期間中無休 

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秋の日に

せっかくの連休なのに連日の大雨!でも、長〜いTo do!!のリストが頭の中にある私はこの頃ずっと机の前にべったり。*_*

Img_10091 でも今日は、これだけは見逃すわけにはいかない!と考えていた大切な展覧会へ行ってきました。
だって、今年の春に京都の国立近代美術館で開催されていた「志村ふくみ 母衣への回帰」展が世田谷美術館へやってきたんですもの、MUSTでしょ。♡
連休中日のこんな大雨の日だったら空いているかしら?と出かけたら、思った通り!静かな空気の中でゆっくりと美しい色に包まれてきました。幸せ。♡
でも、実は純粋に「わぁ、綺麗」と感動する気持ちと同時に、色が醸し出す雰囲気やバランス、質感など、自分の持っている感性を総動員しての勉強です。
テキスタイル的な勉強、というよりも「どうして私はこの作品が好きなのかしら」と作品を通じて自分探し&自分磨きという感じかも。
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いつものように作品リストに作品から受けた印象や「ココが好き!」というところをメモ書きしながら廻り、気になる作品へ戻ったり、じっと近くで見たり、下がって遠くから見たり。作品名からイメージされる空間そのものをそのまま色に置き換えているような表現にうっとり。
結局一番印象に残ったことは、果てしないと思えるほどの仕事の先にあるものを見つめていること。そして、見ようとしたら世界は色に溢れていること。
うわぁーん、忙しいよぉ〜と半泣き(?!)な毎日にぐったりしていたけれど、シャキッと背筋が伸びました。私、頑張ります。:)
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そして今日のおやつは志村ふくみさんバージョンの「ふくみ天秤」。大好きなたねやさんのふくみ天秤がこんなふうに「風露」プリントに包まれています。そして、もちろん中も赤米と蓬と梔子で 色をつけた志村カラーの最中よ〜。
今週はハギオや猫たちも東京において山へ何日か籠って仕事をしようと考え中。きっとお山は紅葉+キノコでじっとしていられなさそうだけれど、色々なことから切り離された環境で集中してきましょ。
さぁ、今晩のお夕飯は朝からコトコト煮た花豆と野菜のスープ。トップにパルミジャーノをたっぷり削ってね! 美しくて美味しい秋の到来です。感謝。♡
「志村ふくみ 母衣への回帰」展 〜2016. 11. 6.(日 )
 世田谷美術館 10:00 - 18:00   月曜日休館 

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解けた謎

昨年「川瀬巴水とマックスフィールド•パリッシュの青や透明感って似てる気がする」って書いたのですが、先日その謎が見事に解けました!Yeah~!!!

Kasuiwata2 千葉の美術館へ「川瀬巴水ー生誕130年記念」展を見に行きたいと思っていたけれど、まだ本調子が出ない私は「うーん、確かもう少し近くでもやっていたような...」とグズグズ出かけあぐねていました。そして調べてみると大田区立郷土博物館でも同様に「川瀬巴水ー生誕130年記念ー」展を開催しているではありませんか。しかもその日は巴水の版元の渡邊版画店の摺師の方のデモンストレーションまであります!
わぁーい、楽しみ〜!!!と車に乗ってビュンと向かい、30分後には博物館の会議室の椅子に座っていました。:)
大田区立郷土博物館では生涯の殆どを大田区で過ごした川瀬巴水の作品は版元の渡邊版画店と同じくらいの量を持っているのだそうな。びっくり!
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摺師の渡辺英次さんが初版の版画を参考にしながら一色ずつ絵具を作り、それを版木にのせ馬連で実際に摺る様子を間近で拝見することができました。右の台に乗せられた版画の奥のは下半分に濃いグレィの陰をつけたところ、そして手前はまだのせていないもの、ね、違うでしょ。1色のせる毎に絵が少しずつ変わってゆく様子は魔法みたいでとっても素敵でした。
摺る様子を実際に拝見しながら渡邊版画店の現在の社長 渡邊章一郎氏と摺師の渡辺英次さんに版画の技法や巴水についての素朴な質問などに答えていただくという、思いがけずとっても贅沢な時間を過ごすことが出来ました。♡
そして、そのお話の途中で渡邊社長から「ベロ藍」や「プルシャンブルー」という色についてのお話がありました。
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「ベロ藍」はベルリンから来た青、「プルシャンブルー」はペルシャから伝わった青で葛飾北斎が多用した色であること、巴水も北斎に倣ってこの色を多く取り入れたことで欧米で巴水の作品が好まれたこと、カトリック教会でも良く見られる色なので欧米人に親しみがある色なことなど、渡邊さんのお話に私は興味津々。
そしてデモンストレーションが終わった後に渡邊さんに「以前ロンドンでマックスフィールド•パリッシュの絵を何枚か手に入れたのですけれど、初めて川瀬巴水の版画を見た時にとても青の感じや透明感が似ていると思いました。同時代の作家ではあるけれど、巴水がマックスフィールド•パリッシュと同じ絵具を使っていたということはありますか?」と昨年から抱き続けていた疑問を伺いました。渡邊さんはにっこりと笑って「多いにあり得ます。なぜなら巴水の弟はロンドンに住んでいた時期があるので『お兄さん、ロンドンではこんな絵が流行っているよ』と伝えたかもしれません。そして調べればすぐにその絵具が何かは解りますからね!」というお答えでした。
うわぁ!私が感じたことはホントだったのね!!!!!!! と私もにっこり。♡
風邪気味だったのはどこへやら、ワクワクドキドキ興奮して家路に着き、家へ戻ってこのパッリシュの[ Star](1926年)(上の絵)を見ながら暫くにこにこしていました。あぁ、楽しかった!
摺師の渡辺英次さんのデモンストレーションは2月にもう一度拝見できるそうです。1時間ほどのものは時々あるけれど、今回のように7時間にわたってじっくりと間近で拝見できる機会は稀だそうなので是非。私ももう一度拝見したいな。
「川瀬巴水ー生誕130年記念ー」展
    大田区立郷土博物館 〜3月2日 
 新版画摺師の仕事を見る 2月9日(日)10時〜17時
 

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椿を見に青山へ

先日青山の根津美術館へ椿の絵の展覧会を見に行ってきました。

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新しくなった根津美術館は隈研吾の設計。どんなふうなのかしら?とドキドキ!
言葉ににするのが難しいけれど「新しいのに古い、クラシックなのにカッコイイ」とっても素敵な美術館でした。
何の変哲もないけれど縦の線が強調されていてすっきりしているし、モダンな素材を使っているのに和風な落ち着きを醸し出していてゆったりと気持ちが落ち着きます。


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ここは美術館のお庭です。
青山にこんなお庭があるなんて何て素敵なんでしょう。水面に映った景色もきれい。
広いお庭の中には茶人だった根津嘉一郎が建てた茶室が4つもあり、その茶室を巡るお散歩道の途中にもかわいい石仏や苔むした灯籠があってお庭だけでも見応え十分です。春の桜や夏の蝉時雨の頃、そして紅葉を見にまた訪れてみたいと思いました。

日本って本当に毎日の生活が美しいのね、と再確認。文科省は国歌を唄うことを強要するよりも、こんなふうな美術館を子供達や学生には無料で見られるようにサポートしたりすれば良いのに。そうしたら、みんな「日本って素敵!」と自然に自分の国を好きになって誇りを持つようになるのに。。。と思ったり。

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今回の展覧会の目玉の「百椿図」は江戸時代に空前の椿園芸ブームが起きた時に作成されたもの。
様々な器を花器に見立てて椿を上下2巻の絵巻物に描いたもので、とってもきれいでした。今はもう見られない品種も多く、みんながこぞって新しい品種を作り競った様子が感じられました。

以前京都の哲学の道近くの霊鑑寺へ椿を見に出かけたことがありました。4月と11月に数日ずつしか公開していないので日程を合わせて行ったのですけれど、「百椿図」の中で描かれている希少な椿が花を咲かせていてとっても素敵でした。

今年はこの「百椿図」の図録を持って行こうかしら。目の前に咲いている椿の花に江戸時代につけられた名前や江戸時代の大名や公家がその花を賛じた漢詩や和歌を読んでちょっとタイムスリップが出来そうです。
わぁ、楽しみ!

椿をめぐる文雅の世界「百椿図」
根津美術館 〜2/12(日)

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上野へ

展覧会って意識していないとすぐ終わっちゃって「あーぁ。。。」と思うことも多いはず。
では寒いと言っていないで上野へ!と「北京故宮博物院200選」展を見に行ってきました。
Beijing

この前日曜美術館で取り上げたばかりだし、神品「清明上河図」の展示は1/24までだから混んでるかしら...と閉館間際にでかけたけど、私の予想は甘い甘い。何と「清明上河図」を見るための待ち時間は240分とのこと!

いつもマスコミに取り上げられたものに人気が集中しがちだけど、展覧会って歴史上や美術史上で大切な作品をみるだけではないはずです。「わぁ、きれい」と思う気持ち、思わず作品の前で立ち止まって心が動く感じ、そんな自分の価値観を見つけるためなのではないかしら。

今回の展覧会は展示方法がショーアップされすぎた感があり、主催者側の姿勢に私は少し鼻白んだ気持ちになりました。

でも!「草書諸上座帖巻」など素晴らしい書を間近で見られたのはとっても素敵だったし、「清明上河図」の他にも北京の市街地の様子を描いたかわいい絵巻物やきれいな植物画もありました。:)

帰りには「清明上河図」を見るための「待ち時間240分」というプラカードの下に長ーい列が。17時から240分待つっていうことは、見られるのは21時!しかも「立ち止まらないで下さい」とせかされて、細かい描写を確かめたくてもじっくり見ることさえ叶わないんですもの。う〜ん。。。。。ウフィッツィみたいに予約制にするとか何か工夫しなくちゃね。

そして、帰りには文化会館のボックスオフィスで素敵なコンサートの切符を買いました。

Chara

大好きなCharaをたった600人しか入らない小さなホールで鳥山雄司氏のアクースティックギターと共に聴けるなんて!きゃぁ、素敵!!

他にも屋敷豪太 X NOKKO X 矢井田瞳、小倉博和 X 大貫妙子など魅力的なライブが5日間もあります。
しかも音響の良いクラッシック専門のホールです。とっても楽しみ!

今まで「書」に余り興味がなかった私が今回の展覧会を見て「書」って素敵!と思ったり、こんな胸キュンなコンサートの切符を買うことができたり、今回の上野のお出かけも収穫有り!でした。良かった!:)


Scat
でも....出かける前から喉が痛くてマスクをして出たのに、帰り道には少し怪しい感じになり家に帰る頃には「ちょっと具合悪くなりそうだからもう寝ます。」となってしまいました。。。

風邪だから一日おとなしくしていれば治りそうだから大丈夫。
来月の上海のお稽古の予定も決めなくちゃ行けないし、今週の土曜日発売の「すてきにハンドメイド」2月号(NHK出版)に掲載のティコゼーの東京での講習会の予定も決めなくちゃです。
今日はgirls dayのはずだったけど、お家で仕事を進めましょう。

こんな身体の調子が悪い時って誰かにそばにいて欲しいもの。
だから今日はCharaの曲とSageと一緒に。。。

東京文化会館ポピュラーウィーク2012
2/15(水)ー2/19(金)Charaは2/17(金)
東京文化会館小ホール

*上海のみなさま〜
2月は上海のお稽古を予定しています。多分...2/13(月)~16(木)で東櫻花苑と虹橋公寓辺りで。
詳細が決まり次第お知らせ致しますのでお楽しみに!

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上野の一日 The Body

「さぁ、夏休みはもう終わり、その前に最後の夏の日を楽しんでね、」と、まるで太陽からのプレゼントのように明るい青空が広がった昨日、楽しみにしていた展覧会を見に上野へ行ってきました。
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世界の至宝が集められている大好きなブリティッシュミュージアムから選抜きのギリシャ美術の作品が135点も来日しているんですもの、見逃す訳にはいきません。

上野の展覧会の良いところは、きっとロンドンでは「ギリシャ・ローマコレクション」とでも題して大きなお部屋にごちゃっ!と集められているに違いない彫刻や壷が、一点ずつに丁寧な説明が付き、作品によっては見やすいように台の上に乗せられ360度から見ることができることです。

そしていつも思うのは、あの堅い堅い大理石でどうしたらあんなふうに柔らかで優美な女性の身体や衣のドレープを表現できるのでしょう、ということ。本当にきれい。:)
そして、今回はタイトルの[The Body]の通り、男性の筋肉質な身体を表現した彫刻群も必見!人間の身体って美しいのね、と再確認でした。

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これは皆大好き、海洋堂のガチャポンです。
今回は目玉の「円盤投げ ディスコボロス」を始めとした6点がカプセルの中に隠されています。
展覧会場から出てきた大人達はガチャポンの前に立ちポケットから小銭を取り出して嬉しそうにガチャガチャ。

2回トライした私は、こんなきれいなアフロディテとアンフォラ(壷)をゲット。
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回りには全部揃えたくてトライし続ける大人達が続出していたけれど、海洋堂のフィギュアは本当に良く出来ているから私もその気持ちわかります。
家に帰ってアンフォラを拡大鏡でじっと見たら、描かれている絵の細い細い線や削って作られた模様などとっても丁寧で、手の中に小さな古代ギリシャがあるような気持ちになりました。:)
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そして、上野へ来たらおやつはみはし!
いつもはプレーンな豆かんなのに、昨日は甘いものが欲しくて珍しく杏クリームみつ豆をチョイスした私はアイスクリームの甘さにびっくり!
でも、きっと甘味屋さんのアイスクリームはお砂糖や乳脂肪分が違うのでしょうね。ちょっと渋めのお茶と合ってペロリと美味しくいただきました。

さぁ、充電完了です。
明日からは東京の9月のレッスンが始まり、来週末には上海へ。
がんばろう、っと!

The Body 究極の身体、完全なる美
大英博物館 古代ギリシャ展 ~2011, 9/25
月曜日休館

*9/10から始まる上海でのお稽古、9/10,19は満員、9/14あと1名、9/12,13余裕有りです。
是非、お遊びにいらしてくださいね。お待ちしています。
hirokoibuki@mac.com

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Yearning for....

昨日の大雨で東京も急に気温が下がり、少しほっとした気持ちです。
だって、今週はずっととっても暑かったんですもの。
そんな中、私は友人とテレンス・マリックの映画[The Tree of Life]を観に行ったり、邦画の試写会へ行ったりしていました。

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そして東京で最高気温を記録した木曜日は、少しでも涼しい気持ちになりたくて東京ミッドタウンのサントリー美術館へヴェネチアングラスの展覧会を観に行きました。
「The Yearning for Venetian Glass -Beauty that Traversed Oceans and Time 憧れのヴェネチアングラス - 時を越え、海を越えて」何だか展覧会のネーミングも素敵です。
Yearning for...このフレーズだけでドキドキする感じ。

多様なテクニックを駆使して作られたルネッサンス期から現在までのヴェネチアングラスをヨーロッパ諸国や日本のぎやまんと一同に見られることはとっても素敵なことでした。
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そして、多分私のガラス好きは親譲り。
これは、父と母が随分前にムラーノ島を訪れた時に注文したヴェネチアングラスです。金のエナメル彩の模様がきれい。そして、K&Tと父と母のイニシャルが入っています。
当時まだ幼かった私も、遠いイタリアの小さな島の工房から送られて来るグラスを両親と一緒に世界地図を見ながら待っていました。
そして半年もたった頃、大きな木箱に入ったシェリー酒、シャンパン、白ワイン、赤ワイン用のグラスが届きました。今でもこのグラスを手にすると、父が帰宅するのを待って箱を開け、家族全員でひとつひとつのグラスを宝物のように丁寧に取り出した夜のことを思い出します。

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これは私がムラーノ島へ行った時に購入したグラス達。
20代の私にはアンティークのグラスを買いたい!という夢がありました。お店にその事を伝えて、「それでは2階へどうぞ。」と案内されたお部屋に並べられたグラスはどれもそれはそれはきれいでしたけれど、私が一生懸命用意してきた軍資金ではとても足りません。

どうしましょ、でもアンティークのヴェネチアングラスが好き!という私にお店が提案してくれたのは、アンティークグラスのレプリカ。
そして天井の高い大きなお部屋でゆったりと椅子に座り、ひとつひとつのグラスを手に取って幾つかのグラスを選びました。
レースグラスのステムがイルカや白鳥になっているもの、小さな花が施されたもの、星やキューピッドが彫られているもの。。。そして、そのグラス達も木箱に入って船に揺られて私の元へ。
あの時清水の舞台から飛び降りる気持ちで手に入れたグラス達は、こうして今東京のキャビネットに並んでいてもムラーノのあのお部屋の空気感を漂わせています。きっと私の心の中に、あの日のイタリアの明るい陽射しや波の音が大切にしまわれているのでしょうね。そして、いつまでも I am yearning for.....なのでしょう。

今回の展覧会の楽しいところは、グラス達がムラーノ島だけではなく色々な国の色々な時代へ連れて行ってくれること!
もう夏もあと少し、「暑い、暑い!」と言っているうちに是非どうぞ。

あこがれのヴェネチアン・グラス 時を越え、海を越えて
サントリー美術館 東京ミッドタウン ガレリア3階
〜10月10日 火曜日休館

*野の花に会いたくて明日から4,5日蓼科へ行く予定です。
ネット環境のない山の中なので、その間ブログはお休みします。
お散歩したり、星を眺めたり。。。

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好い一日

梅雨の晴れ間の昨日、楽しみにしていた展覧会を見に横浜へ行ってきました。日本でのんびり一日フリーなのは久しぶり!
そして、ウキウキとみなとみらい駅から地上へ出たら目の前の空に虹がかかっていました。
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昨日は私のお誕生日だったので空からの思いがけないプレゼントに思わずにっこり。:)

虹が大好きな私は、弓形ではなく不思議な平らな虹に気を取られて、今朝の新聞に「不吉なことの予兆では?」と気象庁に問い合わせが相次いだという日暈(ひがさ)という現象にその時は気がつきませんでした。(写真をこうして見ると、なるほどね!と思ったけれど。)
ふむふむ、きっと同じものを見ても「きれい」だと思う人と「不吉」と感じる人がいるのでしょうね。そして、不吉なことには鈍感でありたいと思ったり。。。

目指していたのはここ、横浜美術館です。
Yma
大好きな銅版画家 長谷川潔の展覧会では今まで見たことがなかった作品がたくさんあり、とっても見応えがありました。
特に、一見何も彫られていないようにも見える銅板を目を凝らして角度を変えてじっと見ると、色々な絵が浮き上がって来て、しかも背景には考えられないような細かな線や点が縦横無尽に彫られています。この長谷川潔の息遣いまでをも感じられそうな銅原版は、本当に必見!

白と黒の世界の印象が強い彼ですがパステルや油彩の作品は明るく透明な色調で、そんな作品を見ていたら自然と暖かな気持ちになりました。

もちろん、彼が描いている全てのものに色がある訳だけれど、今まではあのマニエール・ノワールの「黒」の印象が強く、私は昨日まで長谷川=カラフルな色が結びつかないでいました。
だから、ずっとモノクロで見ていた版画のモチーフのガラスのコップがきれいなサファイアブルーやエメラルドグリーンなことは何だか新鮮な驚きでした。展覧会に行くと、こんな小さな「発見」や「驚き」が楽しい!

そして、あのきれいな白は幼い頃から日本の伝統文化を学んだ長谷川だからこその「余白の白」なのでしょうね。そんな彼の中の日本を感じられたことも素敵でした。

第二次世界大戦での辛い体験とその後の精神性の深い作品への傾向、度々絵の中に出て来る鳥は彼自身なこと、そしてその鳥は青いこと....。自分の体験や生い立ち、人柄全てが作品に表れるのはどんなアーティストでもそうだけれど、彼の作品に漂うエレガンスや完璧主義者の厳しさや寂しさを強く感じた展覧会でした。

そんな中、アメリカ人らしきラッパーぽい感じの男の子達が [Yeah! This one is so cute!!](この子、オレ好み!)なんてつぶやきながら少女を描いた作品を見てるのがちょっと楽しかったです。: )

Dinner
そして、「君があるのは家族のお陰なのだから、誕生日は家族と過ごすこと」という父の教えを守って、夜はEatalyで買って来た食材で家でご飯を食べました。

昨日は少し奮発してボッコンチーニのモッツァレラとフルーツトマトを!生パスタ、ゴルゴンゾーラ、生ハム達ももちろん大好きだけれど、「今日はちょっと美味しいものを」という時におススメなのは、これ。
もしかしたら、今まで日本で食べたモッツァレラの中で一番美味しいかもしれません。是非是非!

昨日は、虹→長谷川潔→ボッコンチーニという幸せな好い一日でした。:)

生誕120年記念 長谷川潔展
横浜美術館 〜2011.6.26(日)
木曜日休館
http://www.yaf.or.jp/yma/index.php

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