Morocco Diary 2 本を読むこと
祖父、父と本を読むのが好きな家族の中に生まれ、小学生の頃から図書委員をしたり、学校では体育館よりも図書館が居心地がよく、本が並んだ父の書斎は憧れの場所、サンタクロースのプレゼントも本というふうに育った私も本が好きな大人になりました。
先日モロッコを旅をした時にアトラス山脈を車で越えながらこんな光景に出会いました。マラケシュからどんどん山を登っていくと木々の様子や地形が面白いように変わっていきます。サボテン類が針葉樹になり、そして木も生えない山々になっていき、土の色もその中に含まれる鉄、塩、銅などによって色も違い、山の形も尖っていたり平らだったり。ん?山のてっぺんが平らってどういうこと?と運転手・ガイドのハッサンさんに聞くと「大昔はここら辺りは海の底だったんですよ。その証拠があのてっぺんが平らな山なんです。海が引いた後に地中に残った塩がほら見えるでしょう?」とパッチワークのように所々土が白くなっている場所を指さして教えてくれました。わぁ、まるで大好きな本「せいめいのれきし」の1ページみたい!!!と私は大興奮。1964年出版の初版本を何度もの引っ越しの時にも無くさずに大切にしている黄色いあの本は福岡ハカセも「私の一番好きな本」と仰る1冊。ハッサンさんもそんな私たちの様子に大喜びで何度も車を止めて色々な説明をしてくれました。もしかしたら「せいめいのれきし」がなかったら、私もアトラス山脈の地形にそこまで関心を持てなかったかもしれません。本とリアルな体験が繋がった一コマ。♡
これはマラケシュからワルザザードへ行く途中に立ち寄ったGlaoui(グラウィ)のカスバ。まるで廃墟のような外観からは想像できないほどの美しい装飾が残った遺跡です。私にとって本を読むこととはこの美しい大きな扉を開くようなことかもしれません。必ずしも素晴らしい体験が待っているとは約束できないけれど、知らないことが待っている、そんな気持ち。先日も古本屋さんで20年くらい前の芸術新潮を見つけ、とても面白く熱中して読みました。でも、もしかしたら20年前の私はその内容を面白がれなかったかもしれません。今の私とその本が合ったということなのでしょう。そんな出会いの面白さも本にはあります。
どうして本を読むことを書きたくなったかというと、旅の間にインターネットの便利さを痛感しながらも人々やこどもたちの様子に少し違和感を覚えたからでした。今回のモロッコ行きはロンドンのようになれた都市へ行くのではない旅。初めて見る世界、初めて出会う人々を感じながら自分にとっての「本を読むこと」をくっきりと感じました。本の虫になることとリアルに体験することが混在することが大切なように、毎日の生活の中で本を読むこととインターネットを使うことが、便利なだけではなく心を豊かにすることへ繋がりますようにと思いました。♡
(写真はモロッコの遺跡でハッサンさんの説明を聞きながら歩いているところ)
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